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マルタン・マルジェラについて

2018年3月27日

コレクション参加ブランドの中でも独特の存在感を放ち続けるマルジェラは、1989S/Sのデビュー。衣服の再構築やコンセプチュアルなショーで注目を集め、ファッションを哲学的に見つめるその手法は、登場以後多くのデザイナーやブランドに影響を与えました。世界的なブランドとして根強いファンを持つブランドながら、日本での人気は殊に高く、世界初の旗艦店は2000年に恵比寿でオープンしました。

唯一無二のオリジナリティ
マルジェラの世界観を一言で表現するのは難しいですが、一つ言えることは比類なきオリジナリティとを持つブランドと言ったところでしょうか。現在マルジェラは、ディーゼル創設者のレンツォ・ロッソ率いるオンリーザブレイブ社の傘下に入り、マルタン・マルジェラ本人も2008年にデザイナーを退任していますが、彼の在籍時にはその独創性に富んだ作品群は「もはやアート作品である」といった評価を受けていました。例えば、これは廃棄になった本物のレコードディスクを繋いで作ったドレス。

現代芸術作品といった佇まいですよね。このようにコレクションでは、きらびやかで清潔な衣服を製作するモードブランドの中にあって、どこか考えさせる作品を発表し、業界全体に『ファッションとは何か』ということを再考させる存在とみられるようになりました。

アーティザナルライン
上記のようなマルジェラの世界観は、なにもリアルクローズとは程遠いコレクションの中でだけ表現されていたのではなく、リアルクローズとして、普段街中で着用できるものとしてもしっかり反映されていました。それがアーティザナルコレクション。もともと先ほどのレコードドレスのような、既存の衣服や製品を材料とした作品は、アーティザナルコレクションと称され定期的に発表されていました。このコレクションは、マルジェラ本人が手仕事によって膨大な時間をかけて制作されており、市販はされていませんでした。
しかし2005年に入って製品化に着手。ごく少量の生産数で、限られた一部の直営店のみで取り扱われました。流石にレコードドレスのような、普段着としてありえないレベルのものはありませんでしたが、リアルクローズとしてもかなり個性的な、いえ、見たこともない衣服を発表しました。
例えばこちらのデニムジャケット。

これは、リーバイスの3rdタイプを模したデニムジャケットに、全体的に白いペンキを施したアーティザナルラインの代表的アイテム。新品時は、ペンキに覆われてカチカチですが、着用するに従ってペンキが剥離して徐々に身体に馴染むようになります。この雰囲気、どうでしょうか。よくデニムなどに用いられる、「絶妙な加工」とか「程よいヴィンテージ感」などの形容が一切当てはまらない、今までに(発表当時)誰も見たことのなかったようなユーズドの新しい形を示したと言ったら言いすぎでしょうか。このように実験的な試みと、それをリアルクローズとして通用する服に仕上げる類まれなセンスで、常にファッション界で異彩を放ってきました。

マルジェラ退任後の作品
マルタン・マルジェラは先述したとおり、ブランドがオンリーザブレイブ傘下に入った後の2008年にひっそりと退任しました。「ひっそりと」というのも、傘下に入ったあとしばらく業界内で「マルタンは去ったのか」と議論されるようになり、2009年に会社側がマルジェラの退任を正式に認めました。このことはファンにとってはある種のスキャンダルで、大手資本に買収された時点で、これまでのコンセプト重視のデザインから、ビジネスを優先してデザインされるのではと危惧されましたが、マルジェラの退任はその不安を一層強化し、「もはやマルジェラではない」との意見も聞かれるほどでした。しかし、それから5年以上が経った今もブランドの人気は健在です。たしかに、かつてコレクターが血眼でさがし回ったような、アーティザナルのアイテムはもう生産しませんが(アーティザナルコレクションは2014年に中止)、マルジェラの組織した強固なデザインチームは、しっかりとその哲学を2017年の今に反映しているのかもしれません。もともと、マルジェラのメディア露出の極端な少なさは有名で、インタビューなどにはデザインチームのメンバーなどが答えていました。また、そのインタビュー内容も必ずブランドに持ち帰り、精査の上でFAX回答するなど、ブランドの思想や哲学を世間に語るのに、異常とも言える慎重さで臨んでいました。ここから伺えるのは、デザインチームへの大きな信頼ではないでしょうか。ここまでイメージを守る人間が、信頼するに足らない人物に、例え一部でも自分の作品を任せるとは考えられません。デザインチームはマルジェラの哲学を共有しており、彼が退任した今も、新陳代謝を繰り返しながらも存続しています。だから、退任後の今もマルジェラのスピリットを持ったプロダクトがリリースされていると言えるのではないでしょうか。証拠と言ってはなんですが、2014年には、かつてマルジェラとプロジェクトを共にしたデムナ・ヴァザリアが自身のブランド、VETEMENTSを発表。ヴェトモンもまた、独創的なセンスでここ最近のファッション界を席巻していますが、そのデザインには、随所にマルタン・マルジェラの影響が垣間見えるディティールが散見されます。つまり、マルタンが去った今もマルタン・マルジェラには、かつてのファンを魅了した哲学を残しているということです。かつてハマった通なファンも、ファッションに興味を持ち始めて最近マルジェラのブランドネームを知ったビギナーも、これからもマルジェラの精神を内包した作品を楽しみましょう。2017年からは、空席となっていたメインデザイナーにジョン・ガリアーノが就任しました。ガリアーノは、マルジェラとは対極とも言える、従来のモードらしい華美なデザインが特徴のデザイナーです。ある意味ではそういった人物がデザインを担当するのは楽しみですが、マルタン本人の哲学を感じられるアイテムがリリースされなくなる可能性も無きにしもあらず。今なら、当社のようなリユースショップや、オークションなどのリユース市場でもこれまでの作品が容易に入手できますが、それもいつ、アーティザナルコレクションのアイテムのように希少になるかわかりません。ファッションに対して興味を持った人なら、マルタン・マルジェラの世界観に触れないのはとてももったいないことです。

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